生活様態が主観的健康満足度及びリンパ球染色体変異に及ぼす影響に関する公衆衛生学的研究
【研究分野】公衆衛生学
【研究キーワード】
生活様式 / 健康度 / 生活満足度 / 染色体変異 / ストレス / ヒトリンパ球 / 染色体構造異常 / 姉妹染色分体交換 / 喫煙 / 飲酒 / ライフスタイル / 身体的健康度 / 精神的健康度
【研究成果の概要】
1.(1)Breslowの7つの健康維持要因(喫煙, 飲酒, 睡眠時間, 朝食, 間食, 体重管理, 及び身体運動)の遵守, (2)発がんや成人病発症に悪影響を与える陰性食品群(肉・てんぷら等)並びに, これらの発症に予防的に働く食品群の摂取状況, 及び(3)ストレスの程度, 身体的健康状況(ADL)及び主観的健康満足度に関する総合的な質問用紙を設計し, これらを尺度化する手法を確立した.
2.人体内で生じた遺伝子変異の測定は, (1)リンパ球培養により染色体DNAに生じた変異の鋭敏な指標として注目されている姉妹染色分体交換(SCE)法, と(2)リンパ球をEBウィルス・トランスフォーマントのfeeder layer上でクローン化して突然変異率を正確に測定する方法の二法により行う. 尚, リンパ球培養クローン化した後6ーthio guanineを含む培地で培養する事によりHGPRT(-)細胞の割合を求め, 人体内リンパ球に生じた突然変異率を求めた.
3.上記相関性の検討に際し, (1)喫煙, 飲酒, 並びに陽性食品摂取量とリンパ球染色体遺伝子の変異量との定量的関連性, 並びに(2)ストレス, 身体的健康度(ADL), 及び主観的健康満足度との関係に注目し, 年齢及び遺伝要因との交絡を考慮しつつ定量的に検討を行った.
4.上記(2)の検討の結果, 喫煙, 飲酒, 陰性食品摂取が高いにもかかわらず染色体遺伝子変異の少ない集団(生理的低反応群)及び, 逆に喫煙, 飲酒, 陰性食品の摂取が低いにもかかわらず変異の大きな集団(生理的高反応群)を同定すると共に, ストレス, ADL等に関する得点が低いにもかかわらず主観的健康満足度の高い集団(心理的高反応群)並びにその逆集団(心理的低反応群)の発見を試みた.
【研究代表者】