20世紀前半華北地域の都市近代化にたいする日本の影響
【研究分野】東洋史
【研究キーワード】
都市化 / ネットワーク / 国権 / マス・メディア / 伝統 / 近代性 / 利権回収 / 帰属意識 / 華化 / 制度化 / ポリティカル・アクター / テクノロジー / 都市文化 / サブカルチュアー / メディア / 華北 / 近代化 / テクノクラート / システム / 法制化 / バイカルチュアリティー
【研究成果の概要】
3年聞(平成11-13年度)の研究成果はほぼ以下の諸点に要約できる。
1、日中共同研究と相互交流.本研究は天津社会科学院歴史研究所および南開大学との共同研究の形をとった。とくに天津社会科学院歴史研究所は中国都市史研究の中核の一つとして多くの研究実績を持っており、そこからおおくの教示を得ることができた。日本側は第1年目と第3年目に中国を訪問し、北京、天津、済南、青島、張家口、大同、太原、大連、旅順などの諸都市を実地調査し、史料の収集とともに、現地の大学、研究機関の研究者と交流を深めた。第2年目は中国の研究者が日本を訪問し、東京、横浜、京都、奈良、大阪、神戸などの諸都市を視察し、関係の大学、史料館で史料の収集にあたるとともに、日本の研究者との交流を深めた。これらはきわめて有意義であった。
2、国際シンポジウム"中国華北城市近代化"学術討論会。第3年目の8月、国際交流基金アジアセンターの資金援助を得て、天津で開催された。討詮会には、プロジェクト・メンバーのほか、アメリカ5名、中国国内11名が報告した。報告者はそれぞれ華北各都市について個別的テーマに即して論じたが、そこから都市内部の多くの諸問題が検討課題として浮上した。また、華北地域と他の地域の都市間のつながり、相互影響についても一定程度明らかにできた。
3、今回の華北諸都市の実地調査を通じて、改革開放後の諸都市が近代化にむけてめざましく発展しており、同時に沿海部と内陸部の諸都市では、発展の度合いや様相においてかなりの差異と独自性がみられること、さらにこれらいずれの都市においても、有形無形、プラスマイナスの両面において、日本の歴史的影響が看過できない要素であったことを実感した。
【研究代表者】