アフェクティブ・マネジメント施策のソーシャル・キャピタル醸成への有効性の検証
【研究キーワード】
ソーシャル・キャピタル / 社会関係資本 / 心理的安全性 / 組織の柔軟性 / 組織文化 / 感情経験 / 信頼 / 共有
【研究成果の概要】
本研究はパフォーマンス指標としてソーシャル・キャピタルに注目し、アフェクティブ・マネジメントの施策が職場の感情的状態をどう改善し、その結果組織のパフォーマンスとしてのソーシャル・キャピタルの向上に貢献することを実証的に明らかにすることを目的とする。そのための具体的な目的のひとつとして、職場における感情的経験がソーシャル・キャピタルの3つの要因、すなわちインタラクション(ネットワーク)、互酬性、および信頼に対し、どのように関連するかを検証することを掲げている。
本年度はこの目的を達成するために、研究に協力してくれる企業の従業員を対象に質問紙調査を行った。質問紙により職場の感情経験の共有、ソーシャル・キャピタル、心理的安全性、組織の柔軟性、そして組織文化などを測定し、それらがどのように相互に関係しているかを分析した。385人からの回答を得た。その結果職場における感情経験の共有が組織の柔軟性と相関を持つこと、ソーシャル・キャピタルと心理的安全性が感情経験の共有と組織の柔軟性の関係にモデレータとしての役割を果たすこと、そして組織文化の影響が大きく見られることなどを明らかにした。
これらの結果は企業の組織マネージメントの実践上、従業員の感情経験やその共有をおこなう文化が重要な役割を果たすことを示唆しており、職場のマネジメント、特に現場における従業員およびチームの文化をどのように涵養していくかという問題に対して知見を与えるものである。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)