ヒトiPS細胞由来ネフロン誘導法に基づく腎細胞癌多段階発がん機構と治療開発基盤
【研究キーワード】
腎細胞癌 / 発がん / ヒトiPS細胞 / がん抑制遺伝子 / がん遺伝子 / オルガノイド / 癌抑制遺伝子 / ドライバー遺伝子 / 多段階発癌 / 分化 / ドライバー遺伝子変異 / 腎オルガノイド
【研究成果の概要】
腎臓がんには、がんの発生を抑えるがん抑制遺伝子や、がん遺伝子に異常が見つかっており、これらの遺伝子変化が腎臓がんを引き起こすと考えられている。しかし、これらの遺伝子変化が本当に腎臓がんを引き起こすのか、ヒトの腎臓で確かめることは不可能である。そこで、これらの遺伝子変化を導入したヒトiPS細胞を作製し、それらのiPS細胞を試験管内で腎臓に分化させる事で、腎臓がんの発がんを再現する事を目指した。がん抑制遺伝子FLCNは、腎臓の分化そのものに関与する事が明らかになった。また、FLCN欠損による腎臓がんは、他の腎臓がんとは異なり、集合管の細胞由来であることが明らかになった。
【研究の社会的意義】
ヒトの腎臓がんで認めるがん抑制遺伝子やがん遺伝子の遺伝子変異をヒトiPS細胞に導入した。これらのiPS細胞を培養して腎臓に分化させることで、試験管内で腎臓がんを発生させることを目指した。本研究により、腎臓がんの原因とされていた遺伝子変異が本当にヒトの腎臓でがんを引き起こすか検証する事が可能となるとともに、腎臓がんの発がん機構の解明や薬剤感受性試験への展開などが期待される。
【研究代表者】