悪性髄膜腫:悪性化分子経路・髄膜腫幹細胞の解明による新規治療標的の検索
【研究キーワード】
悪性髄膜腫 / 異型髄膜腫 / 遺伝子発現プロファイル / がん遺伝子パネル検査 / 異種移植 / 幹細胞 / 培養 / 髄膜腫幹細胞
【研究成果の概要】
20例以上の悪性髄膜腫および典型的な経過の良性髄膜腫8例において、遺伝子発現プロファイル解析、それに基づく階層クラスタリング、さらに、がん遺伝子パネル検査を行なった。遺伝子発現プロファイルに基づく階層クラスタリングでは、悪性髄膜腫は3群に分類された。また、スフェア形成能のある、幹細胞性質をもつ悪性髄膜腫株を樹立、SCIDマウスへの異種移植に成功した。樹立した細胞株および市販の髄膜腫株の2株において、阻害薬投与実験を行なった。悪性髄膜種を悪性化メカニズムにより分類し、それぞれに対して効果的な治療法を確立すべく、解析を進めている。
【研究の社会的意義】
WHO分類Grade 2/3の異形性・退形成性髄膜腫(悪性髄膜腫, 国内で約500人/年発生)は、手術および放射線治療を行っても高率に局所再発あるいは頭蓋内・外転移を繰り返す、最も治療困難な脳腫瘍のひとつであり、有効な新規治療法を開発することが急務である。現状では、たとえ保険診療がん遺伝子パネル検査で治療標的となる遺伝子異常が発見されても、施行可能な治療は、NCCH1901試験等への参加による分子標的薬単剤治療である。悪性化メカニズムによる悪性髄膜腫の分類、そしてその各群に対する適切な治療薬の組み合わせが確立されれば、先進医療などの枠組みにより、新たな治療法が提供できる可能性がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
佐々木 光 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)