死因究明における死後MRI検査の有用性の検討
【研究分野】法医学
【研究キーワード】
死後MRI / 死後CT / 法医画像診断学 / 死因究明 / 法医学 / 法医病理学 / 突然死 / 死後画像 / 死亡時画像診断 / 核磁気共鳴画像 / MRI
【研究成果の概要】
法医解剖前に死後MRIを撮影し、頭部・頸部・胸部を中心として, 複数のシークエンスを撮像し、死後CT所見及び解剖所見と対比を行った。その結果、死後MRIでは総じて脳・頸髄・肺動脈・心臓といった領域において、これまで死後CTでは指摘困難と考えられてきた病変/損傷を拾い上げることができた。特にこれまでに検討されて来なかった、 3D系、グラディエントエコー系のシークエンスにより診断可能な領域が広がることが確認された。今後さらに検討・報告を行い, 死後MRIを加えた死後画像診断を応用した死因究明の改善を目指していく予定である。
【研究の社会的意義】
死後MRIが死後CTに対し、死因究明においてどのような付加価値があるかを示した本研究成果は、異状死解剖率が低く、異状死の死因究明に死後画像利用が広がる日本社会において重要な意義を持つ。死後MRIを利用することで死後CTの限界を超え、より科学的に質の高い死因究明が可能なことが示唆され、世界的に解剖率が低下している中、日本にとどまらず世界各国の死因究明に影響を与えうる。軸索損傷、一酸化炭素中毒による淡蒼球壊死、脂肪塞栓の死後MRIによる指摘は世界で初めての報告であり、学術的意義も高いと考えられる・
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2021-03-31
【配分額】25,090千円 (直接経費: 19,300千円、間接経費: 5,790千円)