細胞の増殖分化に関わる因子ホスファチジルイノシトール3キナーゼの役割
【研究分野】応用微生物学・応用生物化学
【研究キーワード】
リン脂質 / ホシファテシジルイノシトールキナーゼ / 組織応答 / 分化 / アダプター / イノシトールリン酸 / MAPキナーゼ / ホスホリパーゼ / イノシトールリン脂質 / ホスファチジルイノシトール / ホスファチジルイノシトール3キナーゼ / 細胞応答 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 増殖因子 / 分化因子
【研究成果の概要】
ホスファチジルイノシトール3キナーゼは生体内ではPIP_3を生じる。PIP_3は重要な2次メッセンジャーの担い手としていろいろな下流因子の活性化にあずかる。しかし、現在のところ多様なPIP_3の役割を説明するに十分な下流因子が同定されているとは言いがたく、本研究ではあらたなPIP_3結合タンパク質の性質の解明を行った。PIP3BPは核に存在するPIP_3結合タンパク質でArf-GAPと相同性があることから小胞輸送に関与していると考えられる。本年度はすでに同定したPIP3BP結合タンパク質BPキネシンを研究するため、モノクローナル抗体を作成した。また、一方ではあらたにSWAP70と呼ばれるタンパク質をPIP_3結合タンパク質として同定した。このタンパク質はB細胞特異的recombinaseのサブユニットと言われており、immunoglobulinのクラススイッチとの関係に興味がもたれる。SWAP70の局在を調べたところ、細胞質に限局していたが、活性型ホスファチジルイノシトール3キナーゼを共発現させたところ、核にも移行することがわかった。この移行はホスファチジルイノシトール3キナーゼ阻害剤に感受性であったため、PIP_3と結合することが核移行になんらかの役割を果たしていることが示唆された。また、SWAP70を昆虫細胞で大量発現させ、精製した。精製したタンパク質を用いて試験管内での核移行を検討した。その結果、試験管内ではSWAP70はATP依存性に核に移行することがわかった。この系を用いてのPIP_3の役割の検討が待たれる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
永田 諭志 | 東京大学 | 大学院・農学生命科学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
伊原 さよ子 | 東京大学 | 大学院・農学生命科学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1998 - 1999
【配分額】12,600千円 (直接経費: 12,600千円)