細胞壁チェックポイントの分子機構
【研究分野】分子生物学
【研究キーワード】
細胞壁合成チェックポイント / 細胞周期制御 / 細胞壁 / ダイナクチン / サイクリン / 転写制御 / 細胞周期 / チェックポイント / ダイナクチン複合体 / 細胞内局在 / フォークヘッドタンパク質
【研究成果の概要】
本研究では新規細胞周期チェックポイントである細胞壁合成チェックポイントに関連して、特にダイナクチンの新たな機能としての細胞壁チェックポイント制御機構、について解析を行った。ダイナクチン構成因子の遺伝子破壊株を用いた解析では、ダイナクチン複合体の構成因子であるnip100破壊株、jnm1破壊株においても紡錘体を形成した細胞の蓄積が見られた。このことはArplpだけではなくNiplOOpとJnmlpを含むダイナクチン複合体が細胞壁チェックポイントの機能に必要であることを示唆している。
それに対して、ダイニンの構成因子およびNumlp,Paclp,Biklpの破壊株はチェックポイントに欠損を示さなかった。さらに、微小管の重合阻害剤であるNocodazoleを添加した場合でも、チェックポイント制御は正常に起こった。このことから、Dynactin複合体は、Dyneinおよびその関連因子を介さないメカニズムでチェックポイント制御に機能している可能性が示唆された。ダイナクチンの構成成分であるArplpの分子解剖では、Arplpのアミノ酸配列上で電荷を持つアミノ酸のクラスターを選択し、それぞれをアラニンに置換した32種類の変異アリルをもつ株を作製し、それぞれにおいてチェックポイントと核の移行機能が正常であるかどうかを調べた。その結果、細胞壁チェックポイントと核の移行機能は互いに独立して制御されており、Arplpはその2つの機能に対して分子内の異なる機能領域で関与していることが示唆された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
園池 公毅 | 東京大学 | 大学院・新領域創成科学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】14,500千円 (直接経費: 14,500千円)