胃癌の分子生物学的特徴に基づく、小線源療法を主軸とした個別化治療戦略
【研究分野】消化器内科学
【研究キーワード】
胃癌 / 放射線療法 / アポトーシス / 小線源療法 / 分子標的治療 / 医歯薬学 / 内科系臨床医学 / 消化器内科学 / 上部消化管学
【研究成果の概要】
胃癌細胞株(低分化腺癌と高分化腺癌)に対する125Iの小線源療法(hot)の増殖抑制効果が観察された。免疫染色、caspase-3の活性を調べたところ、小線源療法によるアポトーシス誘導が観察された。次に、in vivoでのhot群の安全性と増殖抑制効果を検討するため、ヌードマウスの胃癌播種モデルを構築し、アプリケーターにより腫瘍内部に小線源を投与した。cold群と比べ、hot群では優位に腫瘍量が少なく、2週間後には播種巣は、定常状態となった。胃癌細胞株全てにおいて腫瘍抑制効果が観察され、免疫染色により、hot群ではアポトーシスが誘導されたことが証明された。
【研究の社会的意義】
放射線治療は、周辺臓器が多く、呼吸性変動、蠕動運動の多い胃では、十分かつ副作用の少ない照射は現時点では困難である。しかし、前立腺癌で施行されてきた小線源療法は、胃癌部へのアプローチが克服できれば、この点において非常に優れ、最も治療効果が期待できる放射線療法といえる。特に局所進行胃癌で狭窄をきたし、通過障害のため経口摂取が困難かつ手術適応外の症例では、この治療法による局所コントロールやQOLの向上が多いに期待できると考えられる。
【研究代表者】
【研究協力者】 |
宮永 亮一 | |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)