海洋プランクトン幼生の成長:摂餌の消化・吸収と栄養素の伝播・受容
【研究キーワード】
海洋性プランクトン / 棘皮動物 / イトマキヒトデ / サイズ依存性 / 発生シフト / TGFb / アポトーシス / アスタチン族メタロプロテアーゼ / 消化システム / ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体 / 神経システム / 温度感受性チャネル / 神経ネットワークの崩壊 / 海洋プランクトン / ヒトデ / 摂餌 / 成長 / 神経 / メタロプロテアーゼ / ヒストン / ヒトデ幼生 / 凝縮 / サイズ / 神経回路 / プランクトン幼生 / 栄養循環 / 神経系 / マリンバイオロジー
【研究成果の概要】
本研究の目的は、棘皮動物ヒトデ幼生の消化システムと神経システムに焦点を当てながら、成長に寄与する消化・吸収ならびに栄養素の伝搬・受容を理解することにある。本年度もコロナ禍による研究制限の状態が続いたが、複数の重要な研究データを得ることができた。その一部を用いて、学会発表を行った。
消化システムと神経システムの解明ポイントとなる幼生サイズの増加に着目した結果、胚期の時間依存的な発生様式と異なり、幼生サイズに依存した成長が進行して変態可能なステージに移行することを明らかにできた。この過程で摂餌は必要であり、(1)餌がない状態では変態可能になる前段階で形態形成が停止すること、(2)摂餌には感覚神経細胞が重要な働きをしていることも判明した。
一方、幼生成長の基盤をなす上皮細胞数の確保において、上皮細胞増殖の主因となる間充織細胞の膜型アスタチン属メタロプロテアーゼ(MC5分子)は、TGFbの潜在型から活性型への変換だけでなく、上皮細胞の生存自体をも担保している可能性を見出した。このとき、上皮細胞の生存に対するデフォルトの表現型は、細胞断片化によるアポトーシス細胞死である証拠も得られた。最終年では、既得したデータ解析や論文の補助的データ取得を含みつつ、研究の完成を目指す。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
倉石 立 | 慶應義塾大学 | 文学部(日吉) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
古川 亮平 | 慶應義塾大学 | 文学部(日吉) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)