アジアの多様な水問題に対応可能な地域・流域規模の降水量変動の把握と予測
【研究分野】環境動態解析
【研究キーワード】
アジア / 水循環 / 降水変動 / 日変化 / メソ気象 / GPS可降水量 / 降雪 / 雲解像数値モデル / 降水量変動 / インドネシア / 雲解像モデル / モンゴル
【研究成果の概要】
この研究ではRAMSとWRFの3つの非静力型の数値モデルを改良して、長期的な気候変化とそれに伴う水循環変動のシミュレーションを実施した。また地球温暖化のダウンスケールも実施し、将来の予測だけでなく、過去の気候変化の再現にも成功した。まず山岳地域の気候と水循環の再現では、上記の数値モデルの空間解像度を高めて、急峻な山岳を含む地域における降雪と積雪の再現し、流域単位の降水や融雪による河川流量の変化を再現することができた。積雲対流と地形や土地利用との関係については、我が国の冬に見られる、中国・モンゴルの地形性および土地利用による積雲、さらには大都市周辺の複雑な土地利用分布により引き起こされる積雲などを、極めて高解像度の数値モデルにより再現し、それらのメカニズムや地域の気候に及ぼす影響を調査した。また地域規模の気候および水循環については、チベット高原とその周辺、中国およびモンゴルにおいて、各地域の気候特性をもたらしているメカニズムを解明した。さらに疑似温暖化手法という新たなダウンスケールの手法を開発し、これらの地域の過去の気候変化の再現や地球温暖化にともなう将来気候の再現を実施した。疑似温暖化手法でGCMの持っているバイアスの影響を大幅に軽減するとともに、自然の年々変動による不確実性も軽減する長所がある。また温暖化にともなう気候の変化と;土地利用にともなう気候変化を比較しそれぞれの効果の大きさを評価した。GPS可降水量の解析では、我が国の高密度な観測網のデータを使って、水蒸気輸送と積雲生成の関係を明らかにするとともに、データ同化による降水の予報精度の向上も試みた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田中 博 | 筑波大学 | 大学院・生命環境科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
日下 博幸 (日下 博正) | 筑波大学 | 大学院・生命環境科学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
吉兼 隆生 (百兼 隆生) | 筑波大学 | 地球環境フロンティア研究センター | 研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】17,140千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 1,740千円)