拡散MRI技術を用いた脳深部刺激療法の作用機序解明
【研究キーワード】
薬物依存 / DBS / MRI / シナプス / 線条体 / 前頭葉 / 拡散MRI / VBM / 脳体積 / 光遺伝学 / D1-MSN / D2-MSN / 背側線条体 / 脳深部刺激療法 / ドパミン受容体 / 側坐核
【研究成果の概要】
薬物依存症において脳深部刺激療法(DBS)が有効であるが、その作用機序は未解明であった。その作用機序を脳構造変化の観点から解明する事を目指した。全脳探索的に脳構造変化を解析できるMRI技術を用いる事で、薬物依存マウスでは背側線条体、側坐核、前頭葉で脳体積の増加と脳微小構造が変化している事を発見した。また、これらの脳領域ではシナプス密度が増加している事が分かった。薬物依存マウスの線条体にDBSを行うと、線条体、側坐核、前頭葉で体積増加を抑える事が出来た。また、シナプス密度も減少していた。このことから、DBSの作用の一つとして、シナプス構造変化を介している事を発見した。
【研究の社会的意義】
DBS治療は刺激電極を脳内に刺す必要があるため、侵襲性が極めて高い。そこでDBSに代わる治療法が求められる。DBS治療の作用機序を知ることで、新たな治療法の提案につなげることがでできる。本研究から、薬物依存におけるDBS治療の作用領域が背側線条体、側坐核、前頭葉である事を発見した。今後の研究展開として、これらの脳領域に焦点を絞って、DBS治療の作用機序解明の研究を進める事できる。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)