アフィニティーラテックスの作製とそれを用いた生体成分の分離および活性化
【研究分野】医用生体工学・生体材料学
【研究キーワード】
アフィニティーラテックス / バイオセパレーター / セルアクチベータ- / 転写因子 / 点変異DNA / 膜糖蛋白 / ミクロスフェア / アフィニティ / ラテックス / スペーサー / DNA / RNA / RGDS / 転写制御 / ホルモン
【研究成果の概要】
スチレン-グリシジルメタクリレート共重合体粒子に生体成分またはその断片を固定し、新しいタイプのバイオセパレーター、バイオアクチベータ-を開発する研究を発展させた。
粒子として、上記のもの以外に、磁性体を包含しポリグリシジルメタクリレートで表面を覆ったものも作製し、同用途に供した。
バイオセパレーターとして新たに次の項目を検討した、(1)TBP(TATA Binding Protein)固定粒子で転写因子TFIIAを分離、(2)転写因子E4TF1のサブユニット固定粒子でsnRNP(small nuclear Ribonucleo-Protein)を精製、(3)sense DNA固定粒子でantisense RNAを分離、(4)DNA固定粒子で点変異DNAとそうでないDNAを分離。
(1)(2)については、生体成分のサブユニットもしくはさらに限定した機能部位のみを固定することでもアフィニティ分離が可能であることを示した。サイズの小さな成分の固定系では親水性スペーサーが機能向上に有用であった。(3)(4)では、単鎖DNA固定粒子の機能の拡張を図り、明るい展望をもつに至った。
バイオアクチベータ-としては、引き続きRGDS固定粒子による顆粒球の活性化を検討したが、今期は、粒子による刺激にともなう細胞内の変化、具体的には、活性酸素の産生、細胞内pHの変化を調べ、担体粒子の物理的ファクター(親疎水性や電荷など)が、RGDSによる特異的作用の発現を決定的に左右することを確認した。また、RGDS固定粒子を、溶解した膜糖蛋白GPIIbIIIaのセパレーターとして用い、高濃度、高純度で目的物を得て、得られたGPIIbIIIaの諸特性の検討も行なった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
藤本 啓二 | 慶應義塾大学 | 理工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1993 - 1994
【配分額】6,200千円 (直接経費: 6,200千円)