自由航走模型船の新しい非接触制御計測システムの開発
【研究分野】船舶抵抗・運動性能・計画
【研究キーワード】
非接触計測 / 非接触制御 / 画像処理による位置計測 / 無線ディジタル通信 / 光学式位置計測 / 模型船の制御・計測 / 信号処理 / システム同定 / 運動推定 / パラメ-タ推定 / 自由航走模型船 / 波浪観測
【研究成果の概要】
従来の無線式模型船操縦装置では困難な多様な自由航走試験に対応できる新しい非接触式の制御計測システムを開発した。
この方法は、模型船内にマイクロコンピュ-タを塔載して、陸上のパ-ソナルコンピュ-タとワイヤレスモデムを介して9600BPSのディジタル通信を行うとともに、船内のマイクロコンピュ-タシステム上のA/D、D/A、DIO交換ボ-ドを陸上のパ-ソナルコンピュ-タからの無線指令により作動させて、プロペラや舵を動かしたり、各種の状態量を計測するものである。
さらに、位置計測に関しては、2台のビデオカメラで模型船上の輝点を光学的に追跡し、画像処理と座標交換により二次元もしくは三次元の位置を割り出す方法も開発した。この方法では、模型船の排水量が小さくて船内に計測器類を塔載できない場合にも適用できる利点があり、また、船内に塔載したジャイロ信号との併用により、波浪中等の6自由度計測も可能である。
開発したシステムを以下のような実験に適用して、その有効性を確認した。
1)長水槽内での規則波追波中の転覆実験(ハッチカバ-をとりつけて完全水密で転覆等の衝撃にも耐えること、ビデオカメラとジャイロを併用した6自由度位置計測が可能なことを確認)
2)屋外の角水槽での規則波・不規波追波中転覆実験(屋外での通信に障害がないことを確認、ビデオカメラによる位置計測は行わず)
3)屋外の角水槽での静水中操縦運動実験(屋外でのビデオカメラによる位置計測システムの性能確認とさらにジャイロ信号を併用した運動計測(特に横流れ速度)への拡張)
本研究の成果については順次公表する予定である。
【研究代表者】