注目点の共有により潜在的欲求を喚起させる協調的意匠設計支援システムの研究開発
【研究分野】設計工学・機械機能要素・トライボロジー
【研究キーワード】
設計工学 / 感性情報学 / バーチャルリアリティ / 認知科学 / 美学 / 潜在感性 / 視点の共有 / 意匠設計 / CAD / 感性設計 / インタラクション / 感性工学 / 注目点の共有 / 視点 / 形状創成 / 視点と行為の一致
【研究成果の概要】
本研究の目的は,意匠設計の過程において他者間での注目点を交換・共有することにより潜在する感性を喚起させ,新たな視点から創造的な設計代替案を創成する支援システムを構築することである.
平成19年度は,昨年度に構築した視点共有型意匠形状創成システムの問題点をふまえ,システムを作り替えた.改善点としては,6DOFをリアルタイム計測できる磁気センサを用いた直感的な形状操作を可能とするインタフェースの導入,および複数の形状の特徴を各種の生成オペレータによって合成する直感的な形状生成手法である.作成したシステムを用いて,感性的なコンセプトを満たす形状を複数の被験者に作成させ,その視点を抽出した.視点は,昨年の実験結果から得られた知見を参考に,連想視点,印象視点,および注目特徴の3種類に分けて抽出した.その後,実験で得られた形状と視点を被験者間で相互に評価させた.評価実験の結果,コンセプトの適合度と,他者の視点変化への影響について,優れた形状と視点を生成する被験者とそうでない被験者に二分されることがわかった.また,形状のみより,視点を提示することが有意に有効であることがわかった.さらに,有効な視点において,想定内の形状に対する想定外の視点と,想定外の形状に対する想定外の視点が存在し,その割合が同程度であることがわかった.連想視点については,形状モデルから直接的に連想できる視点に比べて,間接的な連想による視点の有効性が確認された.以上の知見は,他者が生成した多数の形状と視点の中から,より効果的に潜在感性を喚起させる形状・視点を絞り込むために利用可能である.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)