サスティナブルモビリティを実現するための都市圏交通計画手法の開発
【研究分野】土木環境システム
【研究キーワード】
モビリティ / 年圏交通計画 / 持続可能性 / 簡略交通モデル / 都市圏交通計画 / 戦略交通モデル
【研究成果の概要】
本研究は、経済成長を支える交通需要を環境負荷の小さな形態で実現する為の交通戦略、即ちサスティナブルモビリティを実現する交通戦略を構築する為の都市圏交通計画手法の開発である。平成八年十月の採択以後、平成十年度三月までの研究期間の主な研究成果は以下の通りである。
1.離散選択モデルアプローチによる集計交通需要予測手法の開発
従来型の四段階推定法による日本交通量予測に対して、ネスティドロジットモデルを組み込んだ改良モデルを提案した。具体的に仙台都市圏において、モデルを推定し、より理論的で精度の高い分布モデルと鉄道端末を考慮した鉄道経路選択モデルを構築し、その有用性の例示として、様々な交通戦略を比較した。
2.交通手段・配分同時均衡分析による外部費用の内部化方策の効果分析
自動車の外部費用を内部化する事により、受益者負担原則に照らしてよりサスティナブルな交通状況を実現する戦略を評価する為に、交通手段・配分同時均衡モデルを開発した。仙台都市圏を対象に、時間帯別OD表に関するプライシング施策等の効果分析を実施した。
3.戦略交通モデルの開発と適用
個別リンク交通量を算出する従来型の配分手法に対して、一定地域内の道路や鉄道の供給量と需要量、ならびに速度等のサービスレベルを関連付ける集計パフォーマンス関数を活用する戦略モデルについて、その開発状況と適用事例を整理した。また、東京都市圏の道路網を対象として、モデルを推定し、ロードプライシング等のモビリティ戦略の評価が可能な実用的モデルが構築可能である事を明らかにした。
4.これらの研究成果は、四段階推定法の改良モデル、配分段階を簡略した戦略交通モデルの二種類の分析手法に関して、より論理的で精度の高い手法を与えており、サスティナブルモビリティを実現する為の交通戦略を評価する都市圏交通計画手法の骨子を形成する事が出来たと考える。
【研究代表者】