社会的実践としてのアメリカ社会調査をめぐる概念・制度史的考察
【研究キーワード】
社会学 / アメリカ社会学 / シカゴ学派 / 科学社会学 / デュボイス / ハルハウス / 社会的なもの / ラザースフェルド / 社会調査史 / アメリカ社会学史 / 概念分析
【研究成果の概要】
本研究は「社会と名指される集合的対象を、特定化し、その集合的状態の変化・改善を、何らかの統制された方法を用いて目指す社会的実践」としての社会調査の歴史・社会的機能を、19世紀末~20世紀半ばのアメリカ社会学、行政、財団の動向に照準して分析するものである。焦点を当てたのは、シカゴ学派とは異なる形で社会調査にかかわり、「社会的なもの」を追究したデュボイス、ハルハウスグループの社会的・学問的実践である。以上の研究計画そのものは昨年度までと同様である。
一方で、コロナウィルスの流行を受けて、現地での一次史料収集に大きな困難がが生じたため、いったんは日本において入手しうる文献・資料に焦点を定め、①これまでの研究過程のなかで深く解釈・分析に入っていなかったデュボイス、ハルハウスグループの伝記的資料、②アメリカにおける社会学の「社会的なもの」との関係性を大きく変化させたP.ラザースフェルドの調査手法の技術的背景、③②を理解するために必要となる統計学、統計学史の知識等に焦点を当て、研究プロジェクト全体の基盤を充実させることとした。
こうした研究の方向性画定を承けて、一次資料を収集すべく、ウィーンのラザースフェルドアーカイブでの調査について、コロナ禍による滞在研究への影響等を鑑み、総合的かつ慎重に検討したが、今年度に関しては難しいとの判断に至らざるをえなかった。
国内での「下準備」作業がだいぶ進展した状態であるので、2022年度には、今年度間に得た蓄積をもとに、アメリカ、ドイツ語圏等での一次史料収集分析を本格化していくこととする。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)