地震災害からの復旧・復興過程に関する日本・トルコ・台湾の国際比較研究
【研究分野】自然災害科学
【研究キーワード】
阪神・淡路大震災 / マルマラ地震 / 921台湾大地震 / 都市復興 / 住宅復興 / 集合住宅再建 / 応急仮設住宅 / 恒久住宅 / トルコ・マルマラ地震 / 台湾921大震災 / 都市復興過程 / 生活復興過程 / 住宅復興過程 / 活断層区域 / 地震災害 / 921台湾集集大地震 / トルコマルマラ地震 / NPO / まちづくり / 阪神淡路大震災
【研究成果の概要】
20世紀末の発生した3つの都市直下の地震災害-阪神・淡路大震災(1995)、トルコ・マルマラ地震(1999)、921台湾大地震(1999)-を対象に、震災からの住宅及び都市の復興過程を実体的に把握し、震災復興のあり方に対するそれぞれの災害での特徴と、普遍する課題を明らかにした。
災害直後の緊急対応の仕方は、その後の復旧復興のあり方に対する既定要因となるが、緊急時の対応には共通する活動が多い。阪神・淡路では、学校等に避難所→郊外の応急仮設住宅→持家の自力復興支援と借家層への災害復興公営住宅の提供という住宅復興と、木造密集市街地での土地区画整理事業・市街地再開発事業による都市復興、を展開した。これに対して、トルコでは、基盤整備された市街地で被害が集中したため都市復興事業は行わずに安全のために建築制限を行い、避難所としてのテント都市→応急仮設住宅→持家被害を対象とする公的恒久住宅の提供を郊外に新規開発で提供、という特徴的な展開をしている。台湾では、復興にあたって日本のような都市復興を行わず、避難所としてのテントと公共施設→民間を中心に提供された仮設住宅と多くの被災者が受けた家賃補助→支援による持家の自力復興と都市再開発手法を活用した集合住宅の再建という住宅復興を進めるという特徴的な復興過程を展開した。また、復興にあたってトルコ・台湾では断層変位区域の建築制限問題が共通するが、阪神の都市部には断層変位が出現しなかった。
この地震では、高層集合住宅が被災し、その再建・復興過程の困難さは共通の課題であったが、それぞれに現行制度の下で特徴的な取り組みを展開し、相互に有効な教訓を明らかにした。
【研究代表者】