日本における公共哲学の構築のための包括的研究
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
公共哲学 / 公共性 / 平和 / 福祉 / 環境 / ネットワーク / グローカル / 持続可能性 / 持続可能な福祉社会 / 市民ネットワーク / 和 / 公共政策
【研究成果の概要】
公共哲学の包括的研究に関するプロジェクトは、哲学・政治学・経済学・政策学・歴史学・倫理学といった分野の先端を担う代表的論者が、公共哲学という高次の学問的発展に資するべく努力してきたものであり、学問に対する既成観念を払拭して新しい一歩を踏み出すものであった。4年間で15回にわたる全体研究会の開催や、グループスタディを通した個別研究や翻訳作業が、数々の著作や論文を通じた研究成果を生み出してきたことは、各年度の成果報告にも明らかなとおりである。一昨年始まった『公共哲学叢書』シリーズの刊行は順調に進み、『公共哲学』全10巻(第一期)に続く第二期のシリーズも公刊中である。また各研究者の個別研究成果も次々と公刊されており、さらに現在も、研究成果の公表へ向けて作業が複数進行中である。
また本プロジェクトのもう一つの柱であった地球的公共哲学ネットワークの形成であるが、各種ネットワークのメタネットワークとして、この4年間でその形成の拠点となりえたことは大きな成果である。そこでは、学者のみならず、志のある人々への積極的な交流がなされている。ネットワークの拡がりは、HPとMLの活用を通じて、各種NPOや一般市民へと拡大し、公共哲学の学問運動の基盤となりつつあるとも言える。今後、学問成果の共有や現実問題をめぐる活発な議論が期待される。
無論、本プロジェクトは、この4年間で完結するものではなく、引き続き継続させていかなければならないものである。現在も活発な研究活動を継続させているが、さらに各専門分野との積極的な交流も臨まれ、さらなる研究の進展が必要である。また、若手の育成にも力を注ぎ、次世代への継承という課題も残されていると言えよう。
【研究代表者】