ロシアとコーカサス諸地域の文化接触:受容と変容と離反のダイナミズム
【研究キーワード】
ロシア語 / ソ連 / コーカサス / 公式文化 / 文化接触 / ソ連文化 / 言語・視覚表象 / トビリシ / ジョージア民主共和国 / 雪どけ期 / アルメニア / ジョージア / 映画 / ロシア語劇場 / トフストノーゴフ / ロシア語文化 / 文学 / 演劇 / 非公式文化
【研究成果の概要】
初年度に現地研究者との問題共有と研究のベース固めが出来たため、予定通り、担当者各自が独自に現地調査、資料収集、分析を行った。
3月に来日したカルトージア教授(トビリシ大学)に引き続き協力を得て、ジョージアの民主共和国期とソ連期に対する歴史的評価の変化と映画・文学をはじめとする創作表象の変化について、共同研究を行い、「雪解け期ソヴィエト映画と ジョージア(グルジア)映画スタジオ」をテーマに京都大学、東京大学等で研究成果を発表した。
9月に2名がトビリシに渡航し、カルトージア教授の協力を得て、国際共同研究強化(B)「 多言語多文化芸術運動としてのトビリシ・アヴァンギャルドの歴史的資料調査と考察」(増本浩子神戸大学教授代表)と共同で、初年度から研究協力を得ているガヤネ・シャゴヤン博士、レヴォン・アブラミャン博士(アルメニア科学アカデミー文化人類学研究所)、コルネリヤ・イチン教授他(ベオグラード大学)らの参加を得てトビリシ大学にて、国際シンポジウム“The Dynamics of Cultural Processes between Center and Periphery”を開催し、研究交流を行った。カルトージア教授の尽力により、国立図書館、文学図書館、映画演劇図書館等で資料調査を行ったが、ソ連崩壊後、内戦を経て、アーカイヴが主としてグルジア語資料の収集に力を入れて来た結果、歴史的資料であってもロシア語資料の入手はかなり難しい。図書館関係者によると、アルメニア語の資料収集には専門的知識が必要なため、散逸が問題になっている。ソ連期にロシア中央で活躍した文化人たちとの結びつきをブランド化する動きも一部にみられる。ロシア語劇場は、存続意義の根拠としてレニングラードで活躍した演出家トフストノーゴフとの関係を強調している。
【研究代表者】