都市域での強風防災のためのフライングデブリの危険度予測
【研究分野】建築構造・材料
【研究キーワード】
強風防災 / フライングデブリ / 都市 / シミュレーション / LES / SGS乱流モデル / 風荷重 / 危険度予測
【研究成果の概要】
大都市圏に極大強風が発生した場合、建物の主体構造が耐えることができても、ある建築物が部分的には被害を受け、その際、建築部材、屋根材などの破損部分は、周囲に飛散する可能性を有し(フライングデブリの発生)、都市といった建築物が集中的に存在する場所では、二次的な強風災害を招く可能性が高い。特に、最近の都市における建築物を振り返ってみると、そのデザイン性の要求から窓面が大きくなって、ガラスが広く露出されている場合もあり、フライングデブリに対する脆弱性は重要かつ緊急な検討課題といえよう。
本研究では、そういったことを踏まえ、LESによって予測された都市域での非定常的な強風乱流および個々の建物へ作用する局所負圧のデータを活用し、フライングデブリの発生過程およびその軌道計算を行おうとするものである。さらに予測されたフライングデブリの飛散範囲から都市域での危険度予測を行おうとするものである。
デブリの空力特性に関するデータ整理
デブリが発生した後、そのデブリがどのように飛散するかを算定するためにデブリの空力特性を明らかにした。準定常的な考え方に基づいて軌道計算を行うことの妥当性を吟味した。
強風乱流にするLES計算結果に基づくデブリの軌道計算
得られたデブリの空力特性に基づき、また流速データについては、都市域を想定し、強風に関するLESより得られた乱流場の結果から時々刻々の空間的に分布する風速値を与え、デブリの軌道計算を行った。
デブリの飛散状況の把握
都市域におけるデブリ発生のパターンとその後の飛散状況を推定し、フライングデブリの挙動とその影響負荷を予測した。
フライングデブリによる都市域での危険度予測
フライングデブリの都市社会に与える危険度を推定した。その上で、強風に対して安全な都市域を構築するためのフライングデブリへの対策方法を模索し、今後解決すべき都市の強風防災実現に向けての課題を提示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
竹見 哲也 | 東京工業大学 | 大学院・総合理工学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
曹 曙陽 | 東京工業大学 | 大学院・総合理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2003 - 2004
【配分額】3,400千円 (直接経費: 3,400千円)