光の極限性能を生かすAIフォトニクス高次機能の創成
【研究キーワード】
情報フォトニクス / 意思決定 / 光コンピューティング / フォトニクス / 時刻同期 / 順序認識 / データ生成 / AIフォトニクス
【研究成果の概要】
情報技術の根底を支えてきたムーアの法則の終焉が認識され、持続可能なコンピューティングパワーと新機能の実現に向け、光を含めた物理過程の積極利用の重要性が高まっている。本研究は、研究代表者らが世界に先駆けて実現してきたナノ光学や光カオスを用いた意思決定等の光情報処理に関する実績を基盤として、今後の人工知能(AI)の時代に必須の高次情報処理を、光の極限性能を生かして実現する革新的AIフォトニクスを目指す。
本年度は、前年度の成果を踏まえながら、高次機能の創成に向け本研究の基礎となる要素の充実に注力した。前年度において、もつれ光子と相関光子を組み合わせる量子・古典の混合戦略を新たに提案したが(Sci. Rep. 2021)、選択肢は光の偏光状態(水平偏光または垂直偏光)により規定されるため、選択肢数は2個に限られていた。そこで本年度は、光の軌道角運動量を活用することにより選択肢数の増大を可能とさせ、なおかつ量子干渉効果を用いることで競合を回避する新たな原理を提案し、数値計算により実証した。成果を原著論文として報告した(Sci. Rep. 2021)。また、近接場光を用いた機能構築の基盤として、フォトクロミック結晶上の動的境界形成とその理論モデルを原著論文として報告した(Appl. Phys. Express 2021)。上記に見られる光機能の応用として、ネットワークにおける調停の高速化に関する検討を進捗させ、その成果を複数の原著論文として報告した(NOLTA, IEICE 2021)。また、精密時刻同期と光の合成に関しては、実験的基盤の整備を進めた(IEEE Access 2021)。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
安田 哲 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | 電磁波研究所電磁波標準研究センター | 研究員 | (Kakenデータベース) |
志賀 信泰 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | グローバル推進部門 | プランニングマネージャー | (Kakenデータベース) |
内山 和治 | 山梨大学 | 大学院総合研究部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【配分額】44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)