ナノ界面制御材料の構築による分子認識バイオチップの創製に関する研究
【研究分野】ナノ材料・ナノバイオサイエンス
【研究キーワード】
生体分子認識 / ナノ流路 / バイオチップ / 表面電位 / 生体適合性ポリマー / 微細加工プロセス / 界面電気化学 / DNA / 絶縁薄膜 / シリコン
【研究成果の概要】
石英などのガラス基板やポリマー基板を用いて、分子認識バイオチップのプロセス技術の確立を行った。基盤技術としては、(1)バイオ分子が吸着しない界面創製、(2)分子認識原理の探索、を検討した。具体的には、半導体微細加工プロセス技術を駆使して石英基板にナノギャップを有する流路を形成し、キャピラリーゾーン電気泳動法によりDNAのサイズ分離を評価した。またマイクロ・ナノ流路内へバイオ分子が吸着することを抑制するため、タンパク質や細胞等の吸着抑制能に優れるリン脂質系の生体適合性ポリマーバイオマテリアルをベースとした新規マテリアルの合成を行い、DNAの吸着特性の評価を行った。さらに、電気浸透流の制御に、DNAがナノ流路内壁へ付着することを抑制し、かつ様々な表面ゼータ電位をもつリン脂質ポリマーを創製した。DNAの検出に関しては、ナノ流路を流れる電流による電気化学的検出を試みた。電気化学検出は、蛍光検出と比較し、蛍光ラベルが必要ない検出方法である。そのため、DNAや、タンパク質といった生体分子の蛍光ラベル化による構造変化を引き起こすことなく検出できるという利点をもつ。ナノ流路を流れるDNAの速度、および分離能は、電気浸透流と電気泳動により制御される。そのためゼータ電位、および印加電圧をパラメータとして、電気化学検出が可能であるかを検討し、DNAのサイズ分離検出に成功した。さらに、ナノ空間で使用するポリマーにおいては、分子量の乱れの少ない特性が重要な制御因子であることがわかった。そのため、マイクロ流路内壁から直接ポリマーをグラフトさせる高精密合成の手法を探り、光グラフト重合によりポリマー修飾が可能であることを示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
石原 一彦 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
渡邉 順司 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】15,800千円 (直接経費: 15,800千円)