先史日本列島の糞石および歯石のメタゲノム解析
【研究分野】自然人類学
【研究キーワード】
糞石 / 歯石 / ゲノム / DNAメタバーコーディング法 / 摂食物同定 / 狩猟採集 / 農耕牧畜 / 先史時代 / 縄文時代 / 弥生時代 / ゲノム解析 / 植物性植物 / 狩猟採取 / 古代ゲノム / 摂食物 / 腸内細菌 / 植物性食物 / 農耕 / メタゲノム / 先史日本列島人 / 食性 / メタゲノム解析 / DNAバーコーディング / 縄文人 / 弥生人 / 古人骨 / 古ゲノム解析
【研究成果の概要】
本研究の目的は、先史時代遺跡で見つかる糞石や歯石のゲノム解析をおこなうことにより、当時の人々の摂食対象となっていた動植物の同定する技術の確立である。本研究では、この技術的基礎を確立のために①飼育下の哺乳動物の糞便、②伝統的生活を続ける現代の先住民の糞便などをもちいて糞便からのDNA抽出技術の改良、ゲノム解析による摂食物同定技術の最適化を進めて来た。こいして蓄積したノウハウにもとづき、③日本の先史時代の糞石、④歴史時代の歯石からDNAを抽出し、DNAメタバーコーディング法による摂食物同定に成功した。④に関して国際誌PLoS ONEで原著論文を発表した。
【研究の社会的意義】
これまであまり研究対象とされてこなかった糞石および歯石に着目し、過去の人々が実際に何を食べていたかを明らかにするその第一歩が達成できたことの学術的意義は大きい。わたしたちの成果からゲノム解析にもとづく食性分析により、従来の方法では分からなかった、科あるいは属レベルでの摂食対象生物の同定が可能になった。食生活は、戦後の欧米化によって劇的に変化したが、これが現代日本人の健康にどのように影響しているかを過去にまでさかのぼった定量的な研究はこれまでほぼ皆無であった。本研究で得られるゲノム配列データがその答えを与えることが期待でき、社会的意義も大きい。
【研究代表者】