霊長類の自然集団に注目した感覚関連遺伝子の多様性の探索と適応進化の検証
【研究分野】自然人類学
【研究キーワード】
霊長類 / 感覚受容遺伝子 / 野生集団 / 遺伝的多型 / 適応進化 / 国際情報交換 / 色覚 / 苦味受容体
【研究成果の概要】
霊長類の色覚と味覚の進化に関して次の成果を得た。クモザル亜科はL/Mオプシンアレルの変異により採食果実検出能を独自に向上させた。均質な3色型色覚とされるホエザル属は実は色覚多型を獲得していた。野生オマキザルをモデルとして遠距離採食果実検出における3色型色覚の有利性を示した。一方野生オマキザル集団26年間の観察記録と照合して3色型色覚と2色型色覚の適応度に差がないことを示した。メガネザルL/Mオプシンの遺伝子解析から3色型色覚の起源が薄明時活動性にある可能性を提唱した。霊長類種間で苦味受容体のリガンド感受性差があることを示した。チンパンジーに苦味受容体の地域差があることを示した。
【研究代表者】