大西洋側北極海における近慣性内部重力波と乱流熱輸送:地球温暖化増幅の実態評価
【研究分野】気象・海洋物理・陸水学
【研究キーワード】
北極海 / 海氷変動 / 地球温暖化 / 熱収支 / 乱流混合 / 内部重力波 / 海氷減少 / 乱流 / 熱塩収支 / 海洋乱流 / 北極海中央海盆域 / MOSAiC / 山岳波 / 海氷変形率 / 渦相関法 / 乱流熱フラックス / 近慣性内部重力波
【研究成果の概要】
地球温暖化の北極海への影響を調査するべく、ドイツの砕氷船を用いた国際観測プロジェクト「MOSAiC」に参加し、計画通りの海氷・海洋の物理プロセスに関する現場調査を実施した。本プロジェクトでは、海水と熱の動きを高頻度に観測するシステムを用いて、海氷直下の熱輸送に関する正確な調査を行った。この調査から海氷が融解してできた低塩分な表層水が、海水が再び結氷するための重要な要素であることが実証された。低塩な解け水があることによって、海水の結氷点が通常の海水よりも高く(0℃に近い)なるため、わずかな冷却でも結氷可能となる。
【研究の社会的意義】
北極海で進行している海氷量の変動(主に減少)は、地球温暖化のグローバルな影響を示す上でもっとも象徴的な事象と言えます。今後の北極海の海氷変動を予測する上で、現場調査から得られる知見はもっとも重要な鍵となります。本研究では、ドイツの砕氷船(Polarstern号)を用いた国際的な観測プロジェクト「MOSAiC」に参加することで、海氷と海洋の間で起きる熱や運動量のやりとりに注目し、海氷変動の実態を明らかにするための現地調査を行いました。
【研究代表者】
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
【研究期間】2018 - 2021
【配分額】14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)