イメージ・インテンシファイヤーの宇宙環境下における実用化研究
【研究分野】素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
【研究キーワード】
イメージ・インテンシファイヤー / CCDカメラ / シンチファイバー読みだし / 高感度大口径 / 宇宙観測 / 宇宙電子線 / 試験開発 / シンチファイバー / 宇宙ガンマー線 / 衛星 / 飛翔体 / イメージインテンシファイア- / 増幅率 / マルチチャンネルプレート / エネルギー
【研究成果の概要】
宇宙環境化での使用に適したイメージ・インテンシファイヤーの開発要素として、装置の性能に加えて小型、軽量で堅牢であるといった物理的条件をみたすことも必要である。このため、現在のところ世界で最大級の直径75mmのマルチ・チャンネルプレートを内蔵した近接型イメージインテンシファイヤーを3段に接続したシステム(MCP375、英国Photek社)を設計、試作した。このシステムは100万倍以上のゲインを持ち、従来の大口径システムのように、初段にイメージ収縮型のイメージ・インテンファイ-を持たないため、極めて小型で軽量かつ構造的に堅牢である。
このシステムは出力画像の読みだしには、Pixel Vision社の1024×1024のCCDカメラをもちいている。このカメラは、ピクセルのサイズは24μm×24μmであるので、全体の有感領域の面積は24.5mm正方形である。イメージ・インテンシファイヤーの出力窓との接続には、長さ比較で約2:1のテ-パファイバーで接続している。この結果、従来の製品にくらべてテ-パファイバーでの減光の割合が約1/5になっている。このCCDはカメラは、従来用いていたソニー製の市販品(XC77RE)にくらべて、S/N比が約10倍で16bitのADCを内蔵しているので、3桁以上の広い領域で光量の測定可能である。このタイプのCCDカメラの欠点であった読みだし速度が遅い点は、1画面を4分割して各フレームを独立に読みだす方法により、7画面/秒(2×2binning mode)まで高速化しており実用上の問題はない。
以上のように申請時に計画していた重量(13kg)、サイズ(径15cm、長さ35cm以下)の条件をいずれもみたし、従来の装置の性能を大幅に向上した宇宙環境下での使用に適したシステムの開発に成功している。現在、我々の目的であるシンチファイバー方式の宇宙線観測装置に用いるために、シンチファイバーを接続してテストを行なっている。
【研究代表者】