フランス・ロマン主義における「作者」像の成立と変容をめぐる総合的研究
【研究分野】ヨーロッパ文学
【研究キーワード】
作者 / ロマン主義 / 小説 / 翻訳 / バルザック / ネルヴァル / 作家主義 / フランスの小説 / フランスの詩 / 現代小説 / 文学 / 音楽 / 映画 / 国際研究者交流 / フランス:ドイツ / 国際研究者交流(フランス) / 啓蒙主義 / 作者の概念 / 作家の誕生 / 詩人の使命 / 文学とメディア / 文学と共同体
【研究成果の概要】
フランス・ロマン主義の時代における「作者」像をめぐって、とりわけ重要なケースであるバルザックとネルヴァルを中心に据え、メディアの拡大、広範な読者層の成立および「私」の同一性を探求する詩学の展開との関連で、作品の起源であるとともに作品によって遡及的に生み出されるものでもある作者のありようを照らし出すことができた。
具体的には、バルザックの創造的な力を形象化するヴォートランの物語に注目し『ゴリオ爺さん』『幻滅』『浮かれ女盛衰記』の三大長編の内容を一巻に凝縮した『バルザック』(集英社文庫)を刊行した。またネルヴァルに関する国際シンポジウムに参加し、流動的な「私」の記述が含む豊かな可能性を明らかにした。
【研究代表者】