古代・中世の地震史料の校訂・データベース化と共有型拡張・活用システムの開発
【研究分野】自然災害科学
【研究キーワード】
歴史地震・噴火 / 地震史料 / 全文データベース / 史料の精選・校訂・再編集 / 学際共同研究 / インターネット / 共有型拡張・活用システム / 古代・中世 / 歴史地霞情報統合データベース
【研究成果の概要】
日本の歴史地震・噴火を研究するための根本資料である既刊地震史料集は、信頼性の低い史料の混在と、検索の不可能性という、二つの大きな問題を抱えている。本研究課題は、平成15〜17年度の基盤研究(A)「古代・中世の全地震史料の校訂・電子化と国際標準震度データベース構築に関する研究」を継承・発展させ、古代・中世を例にとって、この問題を抜本的に改善することを目的とした。そのために、理学・日本史学・日本語情報処理学の学際共同研究を実施し、信頼性の高い地震・噴火史料全文データベースの構築と、それを将来拡充・活用していくためのツール(システム)の開発を自指した。まず、旧課題でXMLデータ化して校訂を施した古代・中世の全地震史料について、さらに精選・校訂・再編集をおこない、XMLデータを完成させた。そのデータでは、一つ一つの史料に対して、主として歴史学的観点にもとづき、AからEまでの史料等級を付した。一方、インターネットで公開予定のデータベースを将来ユーザが共有的に拡充・活用していくことを視野に入れて、インターネットを介した拡張・活用システムを開発し、旧課題で試作していたデータベースの改良のために研究組織内で用いながら実用化した。既刊史料集で混乱していた典拠や和暦西暦変換も整理し、新たな綱文の作成などもおこなった。こうして、日本の古代・中世の地震・噴火および関連事象に関する既刊の文献史料のすべてについて史料学的・理学的検討を加えた全文データベースを完成させた。収録対象期間は近世初期の1607年2月(慶長十二年一月)までで、約2700の事象を収録しており、2008年度初めに一般に公開する予定である。
【研究代表者】