人口増加にともなう適応機構の変容:パプアニューギニア高地における調査研究
【研究分野】人類学
【研究キーワード】
土地利用 / 人口増加 / パプアニューギニア / 地理情報システム / 市場経済化
【研究成果の概要】
平成19年度は、8月と11月にパプアニューギニア高地での現地調査を実施した。当初、研究代表者が調査実績をもつ南高地集タリ盆地における調査を計画していたが、7月に実施された国会議員選挙後の混乱にともなう行政機能の低下と治安の悪化により、南高地州における円滑なデータ収集は難しいと判断した。そこで、パプアニューギニア研究者の助言をえて、情勢の安定している東高地州ゴロカ地域における調査を実施した。なお、申請者はゴロカ地域においても、過去から現在にかけての人口増加と人々の適応戦略の変容にかんする情報にアクセスできる状況にあり、調査地の変更にともなう研究内容の変更は研究目標の達成に必ずしも大きな障害にはならなかった。ゴロカ地域では、都市からの距離のことなる3地域を対象に基礎的情報を収集し、過去50年間の生業の変容にかかわる聞き取り調査をおこなった。さらに高解像度衛星データを利用した土地利用変化のベースマップを作成した。また、直接秤量による食事調査、小型GPSと加速度計を利用した生活時間調査、マテリアルフロー調査などを実施した。これまでの分析で、土地利用の変化には、人口増加だけでなくコーヒー栽培・野菜栽培などの市場経済化が大きな影響を与えたことが明らかになった。また、小型GPSと加速度計を利用することにより、人間の行動を時間・空間・身体活動の3つの側面から評価する方法論を確立することができた。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)