制度の複合的研究:経済学の哲学的基礎
【研究キーワード】
制度 / 哲学 / 経済哲学 / アダム・スミス / J. R. コモンズ / パース / ニュートン主義 / 制度の経済学 / 資本主義 / 経済学方法論 / ルイス / コンヴェンション
【研究成果の概要】
2021年度は、下記の研究会を実施することを通じて、制度の哲学的基礎研究を推進した。2021年7月4日には、山本修氏(ユニゾンキャピタル)が「バブルとは何か?資産価格変動研究への新たなアプローチの可能性」と題して、既存の経済学のアプローチは、実際に経済を捉える際、とりわけ金融現象を捉える際には、不十分であり、新たなアプローチが必要なことを議論した。研究分担者の西部忠は、「脱国家通貨の時代」と題して、貨幣論という制度の思想の本質に迫った。2021年9月23日には、研究分担者の報告者:阿部晃大が「J.R.コモンズのプラグマティズムから何を学べるか―意志的な経済理論と学習環境としての資本主義―」との題で、コモンズ研究の観点から制度とは何かの哲学的探究をおこなった。
2021年11月23日には、玉手慎太郎(学習院大学)氏が「アマルティア・センの経済哲学:センは経済学の何を変えようとしたのか?」と題して、センの経済哲学の観点から制度の探究をおこなった。研究分担者の原谷直樹は、「方法論的個人主義と制度」と題して、経済学方法論の観点から、制度論の20世紀における底流にある思想を明らかにしようとした。研究分担者の有江大介は、「アダム・スミスにおける自然神学的ニュートン主義:調和・斉一・法則」と題して、アダム・スミスのニュートン主義という観点から報告をおこなった。さらに、2022年2月8日には、研究分担者の吉川洋と瀧澤弘和による、経済学のあり方と制度についての対談を実施した。これらの講演・対談のうち、研究分担者によるものは、研究報告として刊行予定の本『資本主義は生き残れるのか』に収録予定である。
【研究代表者】