新規分子機能プローブ開発による生体・臓器内分子機能診断への応用
【研究分野】外科学一般
【研究キーワード】
生体イメージング / 分子機能 / 可視化 / 肝障害 / アポトーシス / カスパーゼ活性 / ルシフェラーゼ / レドックス
【研究成果の概要】
臓器内・生体内の細胞・分子機能を評価するための新たな分子機能プローブを開発する目的で、luciferaseを利用した分子機能プローブを新たに開発し、生体イメージングへの応用を試みる。
1)前年度作成したCaspase-3にたいするプローブをアデノウィルスベクターに組み込み、これを細胞実験およびマウス肝における生体イメージング実験のためのベクターとした。
a)アデノウィルスベクターの作成、増幅、精製および力価測定。
b)アデノウィルスベクターによる肝細胞およびマウス肝への遺伝子導入効率の確認と発現解析により、マウスにおけるプローブ発現の最適条件を検討した。
2)細胞レベルでプローブの有効性を確認
a)細胞内に発現したプローブの刺激(Staurosporin、低酸素・再酸素化刺激)に対する感受性を検討・確認した。
b)プローブの反復刺激に対して、再現性を有することを確認した。
c)反応の持続性(経時的変化)を確認し、刺激に対するCaspase-3活性のダイナミズムを解析し、病態の理解を試みた。
3)プローブの生体内での評価
アデノウィルスベクターをもちいて、マウスの肝にプローブを特異的に発現させ、種々の病態におけるシグナルを確認した。モデルとして、以下のものを作成し、検討した。シグナルの解析は、生体イメージング装置にて、リアルタイムに行ない、経時的にシグナルの変化を測定した。
a)マウスFas刺激、CC1_4による急性肝炎(急性肝障害)モデルにおけるプローブの有効性を確認し、障害の変化を経時的に観測した。
b)マウス肝虚血・再潅流モデルにて、同様に障害の程度と変化を生体イメージング装置にて観測することに成功した。
これらの実験の結果、本研究により作成したプローブの小動物(生体)での有用性が確認され、今後中動物、さらには将来的な臨床応用に向けた研究を行う予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小澤 岳昌 | 分子科学研究所 | 分子構造研究系 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2007 - 2008
【配分額】3,300千円 (直接経費: 3,300千円)