乳児を抱える母親への健康生活プログラムとその効果-地域でのランダム化対照試験-
【研究分野】臨床看護学
【研究キーワード】
産後うつ / 身体活動 / 運動プログラム / プログラム評価 / 健康関連QOL / ランダム化対照試験 / 運動 / プログラム / 母親 / 健康 / フォーカスグループインタビュー
【研究成果の概要】
1.産後プログラムの実施のための予備調査
[目的]ニーズ、実施可能性、関与する人の意識などの具体的な情報を得る。
[方法]フォーカスグループインタビュー(妊婦9名、褥婦5名、産科医師8名、助産師9名)
[結果・考察]医療者は医学的な異常を第一に考え、母親との認識のずれがあり、特に運動に対し、消極的な対処をする傾向が見られた。妊婦はきめの細かい自分に合った指導を希望していた。
2.産後プログラムの実施と評価
[目的]産後の運動プログラムのメンタルヘルスへの効果を検証する。
[方法]参加同意者をランダムに介入群と対照群の2群に割付け、プログラムを実施した。
(1)内容:集団指導(参加型)ボールエクササイズ、1回1時間30分、週1回(全4回)
(2)介入群:産後3か月頃にプログラムを実施、対照群:産後5か月頃にプログラムを実施
[結果・考察]応募者120名、適格者110名、運動群への割付54名、対照群への割付56名、分析対象:運動群48名、対照群47名産後4か月時調査の結果:EPDSスコアで、2群間に差はなかった。運動群が対照群に比較して、SE尺度得点およびSF36の活力得点、身体活動量が有意に上昇した。抑うつ症状を軽減する効果は認められなかったが、健康増進効果が示唆された。
3.国際比較のための基礎データ収集
[目的]日本語とベトナム語版の妊婦身体活動質問紙(PPAQ)の開発・信頼性・妥当性を検証し、基礎データを得る。
[方法]日本語版とベトナム語版のPPAQを作成し、日本在住の日本人妊婦35名、ベトナム在住のベトナム人妊婦60名での再現性、歩数計、アクチグラグフを用いた基準関連妥当性の検証を行った。
[結果・考察]級内相関係数は日本語版0.76、ベトナム語版0.88で、歩数計との有意な関連がみられ、信頼性・妥当性が確認された。アクチグラフでの相関係数は有意ではなかった。1.5MET以上の活動合計は日本人やベトナム人では、米国での報告に比べて、活動量が多いことが示唆された。
【研究代表者】