日本階層システムの構造と過程に関する総合的研究
【研究分野】社会学(含社会福祉関係)
【研究キーワード】
社会階層 / 不平等 / 教育 / 職業 / 制度 / ネットワーク / 国際比較 / 韓国
【研究成果の概要】
今年度の具体的な研究実績は、以下の4点にまとめることができる。
第一に、現代日本を対象とした全国調査の準備として、階層研究全般にわたる検討会議を催した。社会的不平等生成メカニズムの理論についての意見交換、従来型質問紙調査の限界を克服するための技術的検討などにより、重要な知見を獲得した。
第二に、国際比較プロジェクトに向けて、台湾、韓国、アメリカの研究者と詳細な議論を重ねた。台湾に関しては中央研究院の喩維欣・章英華研究員、台湾大学の蘇國賢助教授と台湾調査の調査設計について議論した。韓国に関しては成均館大学の車鍾千教授、中央大学の申光榮教授と今年度の韓国調査の調査票・調査設計について意見交換した。アメリカに関してはハーバード大学のメアリー・ブリントン教授、コーネル大学のデービッド・グルスキー教授とキャリア意識を中心とした日米比較調査の方針について議論した。
第三に、現代社会の階層システムについての全国調査を実施した。本研究課題にかかわる研究者を中心に調査設計をし、実査は中央調査社に委託した。その結果、回収率はほぼ60%、有効回収サンプルサイズは1000名を超え、十分信頼に足るデータを得た。この調査データについては、次年度にコーディングおよび分析を行い、報告書を作成する予定である。
第四に、韓国を対象とした職業威信調査を実施した。計画と設計は本研究課題メンバーが担当し、実査はギャラップ・コリア社に委託した。この韓国データについても、日本調査同様、次年度にコーディングおよび分析を行い、報告書を作成する予定である。
【研究代表者】