デザインとの協同による共創哲学の理論と実践
【研究キーワード】
哲学 / 対話 / デザイン / インクルージョン / 共創 / 共同体論 / 地方創生 / 教育と福祉 / 哲学対話 / 地域創生 / 知識論 / ビジネス / コミュニティ / 障害 / Inclusion / 包摂と排除 / In-/Exclusion / Philosophical Practice / Dialogue / Design / Co-creation
【研究成果の概要】
理論面では、私が提唱している共創哲学の根幹となる部分、共創的(inclusive)であることがどのようなことなのかについての考察を深めた。その成果の主要な部分は、『実存思想論集XXXVI 哲学対話と実存』(実存思想協会編)で論文「共に考えることと共にいること――哲学対話による新たなコミュニティの可能性」としてまとめた。そこで特に重要な点は、インクルーシヴであるために、私たちは相互の理解や寛容さを求めるが、それがどのような状態なのか、どうすればそれができるのかについての実践知が欠けていて、しかもそれが理論的に軽視され、たんなる「コツ」や「ノウハウ」のようにしか扱われていないことである。また通常のコミュニティは共通点や類似点に基づいて作られるが、哲学対話から構想されるコミュニティは、むしろ相違点や差異に基づいて作られるという新たな共同体論を含意していることが明確になった。
実践面では、引き続きコロナ影響で対面での活動は難しかったが、一部は対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド方式での開催も行い、アフター・コロナのノウハウを積み上げることができた。哲学対話に関連する講演やワークショップは8つ、主催イベントは10ほど行い、共創哲学を実践する新たな場を多く開拓することができた。2021年度で特筆すべきは、福祉や医療、映画、家族など、これまであまり関わってこなかった領域の人たちとコラボレーションができたことと、また教育、地域おこし、デザインなど、これまで深く関わってきた人たちと総括的な議論をする場を作れたことである。
成果物としては、〈哲学×デザイン〉プロジェクトとして進めてきた活動の総括として、これまでイベントに登壇した人たちから原稿を集め、ブックレットを作っている(年度内に公刊できなかったが、もう一年延長できたので2022年度に公刊する予定)。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)