日本の小規模漁業が実施するバランスト・ハーベストの実態解明と持続的水産業への応用
【研究キーワード】
小規模漁業 / バランスト・ハーベスト / 持続可能性 / 暗黙知 / 持続可能な水産業 / IoTモニタリング
【研究成果の概要】
本研究の目的は、漁業者が歴史的に有してきた暗黙知と、近年発展が著しい海の情報に対するセンシング技術を組み合わせることで、小規模漁業の持続的発展に寄与する知見をまとめることである。これまでは、漁業者が有する海象に対する認知に関連する専攻研究や理論を概観し、概念や用語を整理するとともに、研究対象地の漁業者の方々が習得している漁業・養殖業における潜在的な知(勘や経験)を集約し、それらを海象の変化と共に捉えられるような「インデックス」をContextual Inquiryを援用し、インタビュー・ヒアリング調査によって抽出した。また研究対象地周辺海域における多魚種漁獲データから機械学習の技術を利用することで潜在的な漁獲パターンを抽出し、海象データとの関連性を検討し、人間の活動と海象の動きの関数としての漁労活動のモデル化を試みた。研究対象地において漁獲される魚については、漁獲アーカイブが作成され、多魚種の漁獲データを基に、データ全体に見える潜在的なパターンを抽出した。コロナ禍における漁労活動の変化がここ数年あったものの、現地の漁業者の方々とのインタビューや調査協力などは継続的に実施できており、局所モニタリングポストの設置計画などを漁協との協議によって決定することができた。今後は、局所モニタリングデータを漁業者の手元に返すシステムを構築し、相互にフィードバックをやり取りすることを繰り返しながら、目標達成にむけて解析を行っていく予定である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)