都市計画・まちづくりに関する一般市民への啓発・教育活動の通史的研究
【研究分野】都市計画・建築計画
【研究キーワード】
まちづくり / 社会教育 / 公民館 / 開発教育 / 都市問題 / 地域人材育成 / 石川栄耀 / 郷土教育 / 郷土科学 / 文部省著作社会科教科書 / 戦災復興
【研究成果の概要】
前年度の成果をふまえ、本年度は主に社会教育における啓発・教育活動の歴史を分析した。
(1)社会教育における「都市計画・まちづくり」の啓発・教育活動の内容分析
まず戦後期を対象として、社会教育の専門雑誌である「社会教育」「月刊社会教育」の記事のうち、まちづくりや地域づくり、都市・国土計画等に関連するものを網羅的に抽出し、記事の論点・テーマの変遷、及び住民参加型まちづくりの歴史における各記事の位置づけについて整理した。その上で、前年度研究実績(1)(2)での時代区分と対応させて考察し、住民参加型まちづくりの普及及び都市計画関係者による啓発・教育活動との時間的差異が明らかとなった。特に、住民参加の観点からは、社会教育がまちづくりの啓発・教育に大きな役割を果たしたものの、現在取り組まれているいわゆる「まちづくり学習」への継続という点からは、現実の住民参加型まちづくりの普及の流れに遅れを取ったといえる。
(2)関係者へのヒアリング調査
以上の分析の中で、早い時代(概ね1970年代まで)に始まった社会教育実践のうち、現在まで継続している事例について、関係者にヒアリング調査を実施した。そのうち大都市部のA市では、公民館が地域の総合的な自治組織の拠点として発展し制度的にも裏付けられ、地域単位のまちづくり(地区計画等)の拠点へと発展する可能性が示唆された。また農村部を抱えるB市、C市(の合併前の一部町村)では、過去の社会教育活動の中でむらおこしへ展開する試みがなされたが、現在では生涯学習の拠点に留まっており、まちづくりの啓発・教育上の課題が明らかとなった。
(3)総合的考察及び研究のとりまとめ
以上、都市計画及び学校・社会教育における啓発・教育活動の歴史を総括し、「都市計画・まちづくり」の啓発・教育、即ち現在のまちづくり学習に至る過程とそれぞれの果たした役割をまとめた。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】1,000千円 (直接経費: 1,000千円)