人口減少時代における地方圏の人口分布変動に関する地理学的研究
【研究キーワード】
人口分布 / 地方圏 / 都市 / 農村 / 地理情報システム
【研究成果の概要】
本研究では、地方圏を対象として、近年の人口分布がどのように変化し、現在どのような特徴を持つのかを明らかにするために、1990年代以降の市町村および市町村よりもミクロな地域を単位とする地方圏全体の人口分布を、人口学的なメカニズムを踏まえて検討するものである。そのために、都道府県別や市区町村別単位の分析、市区町村よりもミクロな地域単位で農村及び都市の内部の人口分布変化を分析することが本研究の具体的な課題となる。
2021年度については、2022年度以降に分析を本格化させるために必要になるデータ整備を進めるとともに、既存研究の整理や基礎的な分析を実施した。このうち、データ整備に関しては主に2点を実施した。1点目は、東京大学空間情報科学研究センターとの共同研究を申請することで1995年から2015年までの国勢調査の地域メッシュデータ利用の認可を受けて、GIS上での分析が可能な形へのデータ整備を行った。2点目は、2020年国勢調査のデータが昨年度に公表されたことを受けて、都道府県別および市区町村別に時系列で分析可能な形でのデータ整備を進めた。
既存研究の整理や基礎的な分析のうち、前者については英文で公表された人口地理学の重要文献を収集し、知見を整理した。後者の基礎的な分析については、都道府県や市区町村を単位として、これまでの自然別社会別人口変化や今後の人口見通しへの影響について検討を進めた。また、地域人口の変化に影響を及ぼす近年の人口移動の趨勢についての検討も実施した。
【研究代表者】