人新世における南極条約体制のレジリエンス研究
【研究キーワード】
国際法 / 南極条約体制 / 人新世 / レジリエンス
【研究成果の概要】
本研究は、地球システムと人類社会システムが一体化する人新世の下での法学研究の先駆として、国際法制度のレジリエンスのあり方を、法学的知見と地球科学を中心とした自然科学的知見を連携させた社会自然科学的手法を駆使して分析し、新たな国際法学術体系を開拓する。そのモデルケースとして、人新世的痕跡が著しい南極地域を管理する南極条約体制(ATS)を題材として、地球科学からの知見を踏まえて100年先の南極の姿を構想しながら、ATSがそのレジリエンスを発揮し強化しうる国際法学的知見を提示する。
採択通知後の約7ヶ月の本年度の研究は、引き続きコロナ禍の影響により海外研究者との研究交流はほぼストップし、オンラインによる研究メンバーとの意見交換と研究基盤形成(電子書籍等の購入)が中心となった。それら研究基盤を活用して、Oxford Handbook of International Environmental Lawに、国際法における信義誠実原則の機能を検討する論文を掲載することができた。コロナ禍においても、2021年11月に、南極研究科学委員会(SCAR)人文社会科学常設委員会の年次研究大会を神戸大学主催にてハイブリッド形式で開催し、本研究に関連する研究報告及び対面での意見交換が出来たことは有益であった。その成果としてZia Madani氏との共著論文を発表し、フェローとして研究支援してくれたオスロ大学ポスドクのYelena Yermakova氏とAntarctic Science誌における特別号企画を進められたことは重要である。
【研究代表者】