トランスレーショナル研究戦略による社会性異常のバイオマーカー同定
【研究キーワード】
予防医学 / バイオマーカー / 衛生学
【研究成果の概要】
社会性に関する問題(社会行動異常)は、自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとした発達障害の主症状の一つである。我々は、化学物質曝露マウスや社会隔離経験を受けたマウスの中で、行動表現型と脳活動パターンがASD当事者に類似する「環境要因ASDモデルマウス」を見出した。本研究では、これらのモデルマウスを利用し、環境要因によって生じる社会行動異常のバイオマーカーを同定することを目的とした。採血の難しい乳幼児に対応するため、唾液試料からのバイオマーカー測定を実現し、社会医学、看護学及び関連領域に貢献することも目指した。本研究では、マウスの社会行動異常を基準として、ヒトとの種間比較によりバイオマーカーを同定する戦略をとった。化学物質の胎仔期低用量曝露により社会行動異常を表出しているマウスと、社会性の問題やコミュニーションの障害をもつヒトの共通項を検出するトランスレーショナル研究戦略をとることで、バイオマーカーの絞り込み作業を行った。本年度は1つのモデルマウスの脳および血液中のRNA発現解析を行い、有意に発現変動するRNAを複数同定した。昨年度と併せて4つのモデルマウスのバイオマーカー候補と行動表現型との対応についての比較を行い、分子の絞り込みを進めた。
並行して、ヒトバイオマーカーの抽出精製方法の開発を行うとともに、血液中バイオマーカーと唾液中バイオマーカーの対応づけを進めた。動物とヒトの種間比較もあわせて行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
吉岡 亘 | 麻布大学 | 獣医学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
山末 英典 | 浜松医科大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)