自己学習に活用できる「疑似生活体験型健康ゲーム」の開発
【研究分野】教育工学
【研究キーワード】
体験学習 / 健康教育 / 対話型コンピュータゲーム / 意思決定
【研究成果の概要】
本研究は、学部学生を対象とした演習の中で、学生自身が日常生活習慣改善のための意思決定の重要性を自己学習できるような、そして、その重要性に関する討論に活用することを意図した「疑似生活体験型健康ゲーム」を制作することが目的である。平成13年度においては、まず、学生のグループワークにおいて、ブレインストーミングとKJ法を用いながら「健康行動を阻害する要因」の抽出を試みた。さらに,ゲームのストーリーをどのような展開にするのか,ゲームの主人公にどのような質問をさせて,その結果をどのように反映させるのか,について,具体的に考えていくために,グループウェア「あんどうくん」を用いて,ゲームのコンテンツマップを試作した。この研究結果を受けて、平成14年度においては、「食事・栄養」、「睡眠・休養」、などのテーマ別に、コンテンツマップを参考にしてゲームのアルゴリズムを決定し、ゲームのプロトタイプを制作した。ゲームの開発にあたっては、携帯電話から使用できるように、iモード対応JavaプラットフォームJ2MEの支援システム、Borland社Jbuilder7、およびアドオンソフトウェアJbuilder MobileSetを使用し、パーソナルコンピュータの画面でデバッグが可能な環境でプログラミングを行った。さらに、ゲームのプロトタイプ作成の過程においては、これを教材として活用する学生たちのもつ日常生活習慣と乖離しないようなゲームのストーリー展開にするために、学習者のアイディアを取り入れる機会を設けた。学生の評価によると、自分に似たゲームキャラクタの表情の変化によって、わざとらしくなく自分の生活習慣を振り返ることができて良かった、などの肯定的な意見とともに、初期設定が難しい、ゲームキャラクタの表情の変化に乏しい期間が続いて飽きてしまう場合がある、という意見が得られた。
【研究代表者】