近代世界システム以前の諸地域システムと広域ネットワーク
【研究分野】史学一般
【研究キーワード】
近代世界システム / 地域世界 / 広域ネットワーク / アジア史 / 比較史 / 東南アジア史 / アジアの中の日本史 / 歴史教育 / 東南アジア / 日本
【研究成果の概要】
(1)3年間で計20回の研究会を開催し、国内外のゲストスピーカーも招きながら、「イスラーム地域世界」をめぐる論争、インドにおけるサンスクリット世界の拡大、インド洋ネットワーク、中央アジア史の構図、グローバルヒストリーへの中国の位置づけと中国中心論の見直し、中国と東南アジアや日本列島の関係、日本列島・朝鮮半島や台湾の位置、近世の世界商品などさまざまなテーマを討議した。(2)メンバーが個々の分担に従って資料収集・研究を進め、個別論文・データペーパー等28件、口頭発表30件などの形で成果を公表した。(3)大阪大学と国立シンガポール大学アジア研究所が共催した2回のワークショップ(2004年「海から見た東北アジア:東南アジアとの対話」那覇、2006年「躍動する周縁と開かれた中心:相互交渉の場としての海域アジア」長崎)、第18回アジア歴史学者会議(2004年、台北)などにメンバーが組織的に参加・報告した。(4)2007年3月に最終報告書を刊行しメンバーの研究成果を論文集の形でまとめた。(5)メンバーの多くが海域アジア史研究会編『海域アジア史研究入門』(2007年中に岩波書店から刊行予定)に成果を投稿した。(7)大阪大学で開催されている「全国高等学校歴史教育研究会」などにメンバーが参加し、細かい暗記に縛られて行き詰まった高校歴史教育の刷新に活かすため、本計画の巨視的な成果を紹介した。
以上を通じて、中世〜近世のアジア史の論点整理とその共有、日本の研究成果の国際発信および歴史教育界への普及という目的を、かなりの程度達成できたと考える。
【研究代表者】