空間可変性に対応した次世代型不動産情報標準化
【研究分野】経済政策
【研究キーワード】
不動産 / 情報 / 標準化 / データ書式 / 階層性 / 曖昧性 / 精度 / XML
【研究成果の概要】
不動産情報は、様々な媒体を通じて提供され、その情報の内容やデータ形式のそれぞれ異なっている。また、情報を利用する側も、不動産業者、消費者、研究者など、利用目的に応じて求める情報はそれぞれ異なる。そこで、最終的な目的である、要素概念や用語の厳密化・固定化とデータ書式の標準化のための研究課題の抽出と問題解決の方向性を調べるために広範囲な不動産情報に関わるテーマについて調査を試みた。現在様々な形で流布している、地価情報や関連情報概念自体の曖昧性や不明確性などの問題点が明らかになった。
また、海外における不動産情報の標準化の現状について調査した。不動産情報の標準化は、住宅流通市場での標準化の動きと不動産投資市場および企業不動産市場での情報の標準化といった大きく二つの流れがある。米国の住宅流通市場において、不動産情報標準として広く普及している不動産取引標準(RETS : Real Estate Transaction Standard)と,米国および英国において進められている不動産情報標準(REIS : Real Estate Information Standards)を調べた。
RETSは、不動産取引情報をやりとりするために文書化されたオープンな標準である。RETSは、MLS(Multiple Listing Services)等の不動産情報を扱うシステムで使われる共通言語となっている。共通言語の使用により、さまざまな不動産システムやMLSから情報を受け取ることが可能になる。
他方、REISは、米国の不動産投資マネージャー協会、不動産投資受託者協議会、および年金不動産協会の協力により、不動産投資の評価と報告の一貫性を高めるために開発された。
これらの調査をもとに、不動産情報標準化にむけて行うべき研究課題、研究体制のあり方を考察した。
【研究代表者】