メガストームに係る災害ハザードの近未来予測研究
【研究キーワード】
災害ハザード / メガストーム / 近未来予測 / 台風 / 爆弾低気圧
【研究成果の概要】
(1)初期値化を施した将来予測データから日本付近の冬季気候について十年規模変化傾向の不確実性・予測可能性を評価するとともに、大規模アンサンブルデータを用いて過去の夏季気候について潜在的極端降水や背景場の十年規模変調と要因分析を実施した。
(2)近年の南岸低気圧の北進傾向に伴う北海道の暴風雪の頻発について、その傾向が持続している可能性を示した。また、極端現象による災害事例として2021年1月の豪雪に焦点を当て、暴風雪をもたらした多重スケールの気象システム(爆弾低気圧、日本海寒帯気団収束帯、北陸不連続線)の役割を明らかにする一方、予測精度の問題を調査した。
(3)高解像度LESモデルにより、時間・空間に激しく変化する気象擾乱により生じる市街地規模での暴風の数値シミュレーションを実施し、市街地での暴風リスクの評価を試みた。また、高分解能モデルによる地形に起因する降水の予測可能性を調べた。
(4)気候モデルデータの力学的ダウンスケーリング・シミュレーションにより,将来気候の日本海寒帯気団収束帯が現在気候より北にシフトし,日本海沿岸部の降水分布に大きな影響を与えることを明らかにした。
(5)大気海洋波浪結合モデル結果解析により、大西洋爆弾低気圧の発達が波浪により促進された理由が、大気海洋間の熱フラックスの上昇、メキシコ湾流北で海洋混合促進により温暖な中層水温が湧昇したことによることを示した。
(6)2021年度を含む過去の台風上陸時の雨,浸水被害件数などのデータを整理し,台風災害データベース(https://tydb.bosai.go.jp/TYDB/index.html)に図化するなどの作業を進めた。また,災害記録データなども踏まえた降水イベントの抽出を行った。
【研究代表者】