多面的な時空間範囲の同定と記述法の開発-緯度・経度/年月日からの脱却
【研究キーワード】
時間情報 / GIS / Digital Humanities / Linked Open Data / 歴史資料
【研究成果の概要】
・時空間範囲名の抽出と時空間座標の付与:自然言語処理を活用して、国際日本文化研究センターが所蔵する資料の自由記述文章から時空間名や時空間座標の抽出する処理を試行し、一定の精度で抽出可能であることを確認した。また、琉球王朝でも用いられた中国暦の時間座標のデータを構築した。さらに、これらの得られたデータについて、時空間名のデータとして加工するための手順を検討した。
・あいまいな時空間情報のための論理:あいまいな時空間情報の検索や比較および時空間範囲名と連携するためのインタフェースの要件や仕様を検討し、Webアプリケーション(Web版HuTime)にこれらの機能の一部を実装した。これらを用い、再帰的な定義による時間範囲名で示されたあいまいな時間情報がとり得る時間座標(日時)範囲を取得する仕組みを試験的に実装し、複数のサーバ間の連携により動作することを確認した。
・データスキーマの設計:HuTime Ontologyに基づいて、時空間範囲名と時空間座標を連携させるためのデータスキーマの検討を進めた。これらには、自然言語処理による抽出処理で検討されたデータの形態やあいまいな時空間情報に関する各種処理の検証結果も反映させることとした。また、台湾などの海外の同種のデータとの連携するため、関係機関との協議を開始した。
・その他:成果公開用のサーバを計画を前倒しして導入し、既存のHuTimeプロジェクトの機能の移行、および時空間範囲名のRDFデータ出力(SPARQL endpointの実装等)や時間範囲名を座標値に変換する機能のプラットフォーム構築にかかる技術的な資料の収集と検証を行った。
【研究代表者】