統計的因果推論と構造推定の融合
【研究キーワード】
ネットワーク / トリートメント / 戦略的相互依存性 / 社会的相互作用 / 空間的相関 / トリートメント効果 / 統計的因果推論 / 構造推定 / 限界トリートメント効果
【研究成果の概要】
(1)他者のトリートメントが社会ネットワークを通じて自身に影響することを許容するモデルについて,現在多くの研究が実施されている。そのようなモデルにおいて,多くの研究では他者のトリートメントがどのように自身に波及するかを事前に仮定しているが,それは現実的な仮定ではない。この問題に対して,「他者のトリートメントの波及の形状について一切仮定を置かない場合,どのような条件であれば有効な因果分析を行うことができるか」について,京都大学経済学研究所の柳貴英氏と新たに共同研究を開始した。研究成果はarXivワーキングペーパーとしてまとめ,関西計量経済研究会や複数の大学で研究報告を行った。
(2)(1)と同様,他者のトリートメントがネットワークを通じて自身に影響するモデルについて,トリートメント変数が(一般的なダミー変数ではなく)連続変数である場合について研究を行った。この研究では(1)と異なり,「他者のトリートメントは知人の平均値のみを通じて影響する」ことをあらかじめ仮定した。研究成果はarXivワーキングペーパーとしてまとめられた。2022年度の複数の国際学会において研究発表の予定である。
(3)個人の観測できない多様性を許容するネットワーク形成モデルについて,ノード間での戦略的相互依存性を許容する方法を開発した論文が国際学術誌Network Scienceに採択された。
(4)その他,複数のトリートメント効果推定に関する論文が国際学術誌から修正要求を得ており,現在改訂中である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)