海勢の研究ー大学生における現状とその形成要因の分析ー
【研究分野】心理学
【研究キーワード】
姿勢 / うつ気分 / 自己評価 / 健康感 / ストレス / 人生観 / 感情 / 肩こり
【研究成果の概要】
1989,1990年と2回の姿勢調査を実施した。第1回目は、一般的に健息状態、日常生活の座る形態、生活でのストレス、机の向かう時間、テレビを見る姿勢、姿勢を注意されたか否か、スポ-ツや稽古事、肩こりの程度、姿勢についての自己評価などの調査項的とうつ尺度との関連について検討した。その結果、大学生(N=401)は椅子中心の生活であり、自分の姿勢をどちらかといえば少し悪いと評価している。また、うつ尺度との関連では、自分の姿勢が悪いと評価している者ほどうつ尺度の得点が高くなっている傾向がみられた。
これを受け、第2回目の調査(N=110)では、項的を整理し、姿勢の自己評価、精神的ストレス、人生観などの項目とともに、うつ尺度、健康感尺度、自尊感情尺度を併せて実施し、姿勢の現状と精神的側面との関わりを検討した。姿勢全体のイメ-ジについての自己評価は、男女ともに以た傾向を示し、姿勢が良いと評価しているものより悪いと評価しているもののほうが多い。姿勢について受ける注意は、友人からよりも親から受けることが多く、7割以上に達している。スポ-ツとの関連では、「スポ-ツをしていることが自分の姿勢に影響するか」では、全体で50%近くが「影響している」と回答している。精神的側面との関連では、精神的ストレスを多く受けて、何らかの対処はしているが、精神的ストレスと姿勢との関係ははっきりした傾向を示してはいない。また。人生観では、概して楽観的ではあるが、自分の姿勢を悪く評価している者ほど悲観的であり、うつ尺度得点、健康感尺技得点、自尊感情得点が低い傾向にあり、姿勢と精神的・心理的側面との関連が指摘できよう。
今後、この現状をふまえ、姿勢についての効率的な調査項的の厳選、通次常における霊情状態や気分などの測定ができる尺度の開発、「姿」としての姿勢を適切にとらえるために新たな姿勢の計測・評価方法の開発、姿勢の悪い者の矯正プログラムの開発を進めて行きたい。
【研究代表者】