Discovery Sagaサイレントキーワード俯瞰

自閉症スペクトラム障害（ASD）の児童における心の理論と言語および実行機能の関係について検討した。「サリーとアン」タイプの誤信念課題では語彙年齢が、「スマーティー」タイプの課題と二次の誤信念課題ではプランニングの得点が課題通過に影響することが明らかとなった。この結果から、高いレベルの心の理論には実行機能が必要となることが示唆された。また、誤信念理解に対する言語的命題化の促進効果について検討した。「見ることは知ること」の原理を言語的命題として信念質問の前に提示する介入を行った。その結果、語彙年齢が10歳を超えると、言語的命題化によって誤信念の理解と般化が可能になることが明らかとなった。

【研究分担者】
熊谷晋一郎	東京大学	先端科学技術研究センター	准教授	(Kakenデータベース)

【研究連携者】
松井智子	東京学芸大学	国際教育センター	教授	(Kakenデータベース)
森脇愛子	東京学芸大学	障がい学生支援室	講師	(Kakenデータベース)

【研究協力者】
計野浩一郎	武蔵野東教育センター	所長