アート志向の解明による製品開発研究のブレークスルー
【研究キーワード】
アート志向 / 製品開発 / センサリーマーケティング / マーケティング / アート
【研究成果の概要】
本研究では芸術家の創作プロセスに光を当てることにより、芸術家特有の創作視点や創作プロセスを明らかにする。そうした芸術家特有の志向を「アート志向」と呼ぶ。2年目については、以下の研究を進めることができた。
まず、1年目に引き続き、アートや製品開発に関する文献調査に取り組むことで、既存研究の整理を進めている。今後、これらの文献については、先行研究を整理したうえで、レビュー論文などとして成果発表をする予定である。
次に、アートを職業としている人物に対して、1年目に実施した6名のヒアリング調査に続き、さらに2名のヒアリングを実施した。今回のテーマである「アート志向の解明による製品開発研究のブレークスルー」に基づき、まずアート志向の実態を明らかにしなければならない。そのため、職業としてアートに取り組んでいる人々が、どのようなマインドで自らの作品を生み出しているのかについての考察から着手した。そこでの結果は現在整理段階にあるが、作品の着想、作品の制作プロセスなどにおいて、私たちがビジネスの分野でこれまで接してきた志向とは明らかに異なる志向が見いだされつつある。
また、アートと音楽の結びつきにも注目し、特に音楽を聴いた消費者が、その後に見たアート作品やアートが盛り込まれた製品に対して、どのような知覚や評価を行うかについて検証した。以上の調査については、1年目に国内において実施したパイロット調査の結果に基づき、研究の一般化可能性を高めるため、同様の調査を海外にて実施した。また以上の結果は2021年10月に海外にて学会報告を行った。
【研究代表者】