行動予測ニューラルネットワークを利用した人の自然な動作の評価と活用
【研究キーワード】
身体行動予測 / バーチャルリアリティ / ロボティクス / 行動予測 / ヒューマンロボットインタラクション
【研究成果の概要】
本研究課題は,機械による人の動作予測を活用し,特に人とロボットとが共存する環境において,人がロボットの動作を予測しやすくするための技術を開発することを目的としている.具体的な課題としては,1)人の動作の予測における限界を知ること,2)人が他者の動作を予測するときに本質的な動作がどこにあるかを知ること,3)ロボットに人の動作予測機能を実装したときにどの程度それを活用できるかを確認すること,である.最終的には,これらの知見を統合して4)人が予測しやすい身体性をロボットに実装し,人とロボットとが直感的に共存できる移動空間を実現することを目指す.
初年度である本年度は主に,1)について人の動作予測の限界を検証する研究を行った.完全な静止状態から手足を動かし始める際に,どのような動作で予備動作が生じるかを明らかにし,動き出し時に重心を移動させる必要のある動作については予測が可能であることを明らかにした.本成果は計測自動制御学会SI部門講演会において優秀講演賞を受賞した.また,スポーツでの応用も想定し,サイドステップで切り返しを行った際の予測誤差についての詳細な検討も行った.予測システムの原理上,最大の誤差が生じる瞬間を明らかにした.
2)については,VR環境下で人の動作特徴を強調表示して提示するシステムを実装し,それを人が見た際にどの要素が予測の可否に影響を与えるかを評価できる環境を構築した.
3)について,ロボットに人の動作予測機能を搭載した場合の評価として,本年度は避ける動作ではなく,逆に人に適切に追従するロボットの実装を行った.ロボットに深度センサを搭載した際に,ロボットからの相対的な身体情報のみを利用した際の0.5秒後の予測精度を評価し,人の追従において骨格情報を利用した人の動作予測が有効であることを確認した.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)